町田酒造、従業員へ「禁煙手当」導入

2018年05月17日

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従業員の禁煙を推進する中村社長=15日、龍郷町の町田酒造

従業員の禁煙を推進する中村社長=15日、龍郷町の町田酒造

  たばこを吸わない人には年間2万4千円支給―。龍郷町の町田酒造㈱(中村安久社長)は今年1月、非喫煙者へ毎月2千円を支給する「禁煙・非喫煙継続手当」を導入した。対象は同社酒造部と遊技部の従業員と役員計58人。5月までに32人に支給され、これをきっかけに2人が禁煙に踏み切った。

 

 手当は従業員とその家族の健康増進や、たばこ休憩に対する不公平感の解消、業務の効率化、火災予防などが目的。中村社長は「食品を扱う会社として、今後3年を目安に社内完全禁煙を目指している。それまでに禁煙を目指す後押しになれば」と話した。

 

 「社内・通勤中・自宅など全ての場所でたばこを吸わない」とする宣誓書を会社に提出すれば受給対象となる。宣誓には非喫煙を見守る家族の署名が必要で、喫煙が発覚した場合は支給停止とともに全額返金や懲戒処分の可能性もある。

 

 現在の受給者は全体の55%。同社は社内掲示などで喫煙と受動喫煙の健康被害などを訴えているほか、今後は医療従事者を招いたセミナーを開いて従業員の禁煙を推奨するという。

 

 1月から禁煙を始めた同社遊技部の岡山達仁さん(28)は「お金は結婚資金の貯蓄に回している。会社がたばこをやめるきっかけをつくってくれた」と感謝している様子。喫煙を続ける酒造部の男性社員(30)も「今は本数を減らしている。家族のためにも将来的にはゼロにしたい」と語った。