竿りりさんら3姉妹、海のごみ拾いで報告

2018年06月12日

地域

共生科学会のシンポジウムで活動報告する(右から)竿はなさん(7)、りりさん(9)、めいさん(5)の姉妹とサポート役の父智之さん=10日、知名町のエラブココ

共生科学会のシンポジウムで活動報告する(右から)竿はなさん(7)、りりさん(9)、めいさん(5)の姉妹とサポート役の父智之さん=10日、知名町のエラブココ

 大学教授ら研究者による日本共生科学会の一般公開シンポジウムが10日、知名町のエラブココであり、同町立下平川小学校4年の竿りりさん(9)ら3姉妹が「海のごみ拾いから分かったこと」と題して実践報告した。姉妹は活動を通して学んだマイクロプラスチックの問題などに触れ、「解決策はまだ分からないが、たくさんの人とつながりながら環境問題を考えていくことが大切だ」と訴えた。

 

 シンポジウムは「ローカルが豊かになるための教科書つくり~今何を考えなければならないのか?」がテーマ。同学会の主会場である神奈川県横浜市のニュースパークと沖永良部島の会場をインターネット回線でつなぎ、双方の参加者がリアルタイムにやりとりする形で実施。沖永良部島にサテライトカレッジがある星槎大学の細田満和子副学長が座長を務めた。

 

 りりさんら姉妹は、昨年の夏休みに自由研究として、町内のウジジ浜で毎朝漂着ごみを拾い、ごみの種類などを記録。漂着ごみ問題への意識の高まりもあって、夏休みが終わった後も「うじじきれい団」として毎朝約15分、漂着ごみを拾い続けている。

 

 りりさんは「一見きれいに見える沖永良部島の浜辺の砂の中にもたくさんのプラスチック片が混ざっている」と映像を基に指摘し、それらがウミガメなど海の生き物に与える悪影響を懸念。

 

 ごみ拾いを通じて分かったこととして▽1日15分でも毎日続けると海岸はきれいになる▽外国からのごみも多いが沖永良部島の人が捨てるごみも多い▽マイクロプラスチックの恐ろしさ―などを伝えた。

 

 このほか沖永良部会場からは花き農家の外山利章さんが「持続可能な社会創生のための沖永良部島での活動」と題して報告し、東北大学名誉教授の石田秀輝さんは基調講演した。両会場の参加者同士によるディスカッションもあった。