自然保護などエコツアー視察 バリ島の国立公園職員ら来島 徳之島

2019年04月21日

地域

エコツアーガイドから説明を受けるインドネシアの国立公園事務所の職員ら=20日、天城町三京

エコツアーガイドから説明を受けるインドネシアの国立公園事務所の職員ら=20日、天城町三京

  【徳之島総局】インドネシア・バリ島の西部バリ国立公園事務所の職員ら8人は19日から、自然保護とエコツーリズム推進事例調査で徳之島入りしている。20日は地元エコツアーガイドの案内で、島中南部の林道や森などを散策した。一行は22日まで滞在し、行政と住民が協働した各種取り組みを視察する。

 

 同国は現在、地域住民と行政が連携したエコツーリズムの構築に取り組んでいる。事例調査は、同国の活動を支援している一般社団法人あいあいネット(神奈川県横浜市、長畑誠代表理事)が地球環境基金の助成を受けて実施した。

 

 一行は初日の19日、徳之島の概要や世界自然遺産登録に向けた現状と課題などについて説明を受けた。20日は徳之島エコツアーガイド連絡協議会のガイドの案内で、天城町の三京林道と伊仙町の小原展望所、義名山の森を視察。島内の希少動植物や自然環境保全の取り組みに理解を深めた。

 

 同公園事務所長のアグス・ングラ・クリスナさん(49)は「住民と行政、NPOが協力してエコツーリズムを推進し、美しい自然を活用する地域づくりの事例を確認できた。国に帰って地域住民と協働してエコツアーに取り組みたい」と話した。

 

 同国立公園周辺村の一つで、ギリマヌク村の住民グループ代表、イマム・サピイさん(45)は「徳之島のガイドの説明は専門的で、家族のように接してくれる案内が良かった。自国では来訪者を受け入れる雰囲気づくりをしながら、価値を伝えるガイドを心掛けたい」と力を込めた。

 

 林野庁と天城町、同協議会の3者協定締結による三京林道の入林規制が今月1日に始まって以降、ガイドを伴った入林は今回が初めて。同協議会の美延睦美会長は「バリ島でも同様の規制を設けるよう取り組んでいる最中と聞き、徳之島の事例がモデルになれば。ガイド同伴の利用は住民に浸透していないが、長期的に活用するためのルールと理解してもらいたい」と述べた。

 

 20日は環境省職員やエコツアーガイドとの意見交換会もあった。21日は地元中学生、22日は徳之島3町の世界自然遺産担当者との意見交換会を予定している。