連続台風に群島悲鳴/奄美・被害まとめ

2014年10月16日

地域

暴風で倒れたサトウキビ=15日、奄美市笠利町万屋

暴風で倒れたサトウキビ=15日、奄美市笠利町万屋

 鹿児島県は15日、台風19号に伴う被害状況(第11報)を発表した。暴風雨にさらされた奄美群島の農作物については調査中で判明していないが、基幹作物・サトウキビには折損や葉の裂傷、塩害など深い爪痕が残った。キビが成長するこの時期、2週連続の台風に生産農家は大きな打撃を受け、悲鳴を上げている。さらに影響は島内の生活物資を運ぶ物流にも波及し、食料品店などの一部は復旧作業に追われた。
 県危機管理防災課のまとめ(15日午後3時現在)によると、奄美群島での住家被害は半壊2町3棟、一部損壊5町97棟、床下浸水1村1棟、非住家被害が全壊1町1棟、半壊1町12棟に上った。
 住家被害の内訳は、大和村で床下浸水1棟、徳之島町で一部損壊1棟、天城町で半壊1棟・一部損壊18棟、伊仙町で一部損壊9棟、与論町で半壊2棟・一部損壊68棟など奄美地方南部での被害が拡大した。
 奄美大島の国道58号で発生した大規模土砂崩れで、瀬戸内町網野子峠の全面通行止めが続いている。
 文教施設は、学校関係で校庭の倒木、廊下屋根の損壊、ガラス破損などが目立った。内訳は、奄美市10小中学校、瀬戸内町11小中学校、伊仙町2小学校、与論町1小学校。また、大島と喜界、徳之島、沖永良部、与論の5高校で雨漏りや防球ネット破損、外壁灯破損などの被害が出た。
 保健医療関係は瀬戸内、徳之島、和泊、知名、与論の6町6施設で窓ガラスや屋根の破損があった。福祉関係は宇検、龍郷、喜界、徳之島、天城、伊仙、和泊の7町村10施設から廊下パネルやフェンス破損などの被害報告があった。
 河川や港湾、海岸などの被害については調査中としている。