グリスロ、島に合った乗り物 宇検村で講演会と試乗体験

グリスロに試乗する講演会参加者ら=18日、宇検村

あまみ大島観光物産連盟主催のグリーンスローモビリティ(グリスロ)に関する講演会が18日、宇検村生涯学習センター「元気の出る館」であった。グリスロは時速20キロ未満で公道を走ることのできる電動車を活用した移動サービスで、車両も含めた総称。講演では、奄美大島でのグリスロの活用は世界自然遺産登録地に求められる持続可能な観光の推進につながるとの提言があった。試乗体験した参加者からは「島の魅力が伝わる乗り物」といった声が聞かれた。

 

宇検村では既存の交通機関(バス)を補完する新たな輸送サービスとして、グリスロの本格運行に向けた実証運行を、今年11月1日から村内で実施中。講演会はグリスロの観光活用や、他自治体での導入の可能性を探ろうと開催。島内の観光関係者や行政職員ら約30人が参加した。

 

講演した東京大学公共政策大学院特任准教授の三重野真代さんは、▽従来の公共交通ネットワークを補完する▽運転手や乗客同士で会話が弾み、乗って楽しい▽福祉面での外出支援や、観光客の満足度向上など多様な副次的効果を持つコミュケーション装置│などとグリスロの政策コンセプトを紹介。

 

通常の車と比較して導入費用が高いことや、乗り心地が悪いなどのデメリットも示しつつ、「普通の自動車にない良さがある。適材適所で使ってほしい」と助言。「『しま時間』というもともと奄美にある感覚を体現したような乗り物。持続可能な観光の推進にもつながり、奄美に合った乗り物だと思う」とも語った。

 

宇検村企画観光課の直(すなお)美希さんは、村内でのグリスロの導入過程や、実証運行の途中経過などを発表した。主に高齢者ら利用者のバス停から目的地までの移動をサポートし、細い道でも走行できるなどグリスロの良さを伝えた。

 

村は来年1月末まで実証運行を行い、利用者ニーズを把握・分析し、ルートなど本格運行に向けた検討を進める方針。

 

試乗体験では参加者が約15分間、グリスロに乗り湯湾集落を巡った。JAL奄美営業所の栄正行所長は「音が静かで会話がしやすく、ゆっくり進むため川のせせらぎなど自然の音もよく聞こえる。春先から初夏は特に気持ちが良さそう。奄美の魅力が伝わる乗り物だと思った」と話した。