奄美2世の写真家が写真展 東京・新宿

2020年10月05日

芸能・文化

 奄美2世の写真家・秋田好恵さん(82)の写真展「憧れの女性はいくつもの顔を持つ」が9月25~30日、東京・新宿のオリンパスギャラリー東京で開催された。17人の女性の日常を独自の視点で切り取った作品群に、多くの来場者から感嘆の声が上がった。

 

 秋田さんは24歳で写真を始め、写真家・杵島隆(きじまたかし)氏に師事。命の尊さと、その命を育む女体の美しさや身体から湧き出る女性たちの一瞬の輝きを写真で表現し続けている。

 

 これまでに国内外で多数の個展を開催。ニューヨーク展では、人種を超えた女性美の表現に高い評価が寄せられた。

 

大島紬のアンサンブルで来場者を迎える秋田さん=9月30日、新宿・オリンパスギャラリー東京

大島紬のアンサンブルで来場者を迎える秋田さん=9月30日、新宿・オリンパスギャラリー東京

 今回の写真展には、被写体となった女性をはじめ自身が会員である日本写真家協会の仲間や、過去に講師を務めた専門学校(写真・美容)の教え子らも数多く来場。最終日には、静岡、神戸、倉敷からもファンが会場に集まった。

 

 大島紬で作られた漆黒のアンサンブルとストールに身を包んで来場者を迎えた秋田さんは「私は鹿児島市生まれ。龍郷生まれの父と赤木名生まれの母の間に生まれた奄美のハイブリッド。真心込めて織られた大島紬は、愛すべき私の原点。授賞式やパーティーなどにも着用する私の正装です」と笑顔で語った。

 

 来場者からは「光も影も全てが生きている。被写体の身体からあふれる思いが印画紙を通じて迫ってくる」「年齢を言い訳にして挑戦することから遠ざかっていた自分を見直す機会になった」などの声が寄せられた。

 

 秋田さんは「次々に新しい発見と感動が押し寄せる毎日。写真でしか表現できない瞬間を大切にし続けたい」と今後の創作活動に意欲を見せていた。