島の「今」を学ぶ 外部講師招きミーティング 徳之島高校
2024年06月21日
子ども・教育

徳之島のペット飼育の現状を生徒らに伝える12ウェルビーの前田美千代副代表(右)=20日、徳之島高校
【徳之島総局】県立徳之島高校(上田勇一校長、生徒261人)の2年生80人が参加する「ソクラテスミーティング」が20日、同校であった。自然、医療、商品開発などの現場で活躍する島内の専門家12人を講師として招待。現在徳之島が直面している各問題について学び、今後1年間取り組む研究の方針について掘り下げた。
同ミーティングは、各現場で活躍する社会人との意見交換を通して、①徳之島の魅力や課題についての理解を深める②テーマに対して多面的な視点で探究に取り組む③勤労観、職業観について考え自身の進路への意識を高める―などが目的。生徒らは総合的な探究の時間を活用してそれぞれの研究に取り組み、年明けに研究内容について発表する。
招いた専門家は各分野に従事する島内の行政職員や団体、事業所の代表など。「自然環境分野」を研究テーマに選んだ生徒らは動物愛護団体「12(わんにゃん)ウェルビー」の前田美千代副代表(49)を講師に、徳之島のペット飼育事情について学んだ。
前田副代表は徳之島で保健所に収容される犬の頭数は毎年150頭前後で人口比で県内ワーストであること、フィラリア症の感染も多いことなどを例に挙げて「飼育への意識が他地域よりも明らかに低い」と断言。「牛小屋で犬や猫を飼うことも法令違反だがそのことすら知らない飼い主も多い。まずは正しい知識を持つことから始める必要がある」と生徒らに適正飼育の重要性を訴えた。
古谷樹輝さん(普通科2年)は「アマミノクロウサギについて調べる中、犬や猫が希少野生動物の脅威になっていることを知り、研究テーマを選んだ」と説明し、「きょう話を聞くまでなぜ犬や猫を飼う際に避妊や去勢が大切なのか理解していなかった。多くの人に適正飼育の大切さを伝えられるように今後の研究と調査に努めたい」と話した。