児童生徒が産卵地整える リュウキュウアユ保護活動 住用小、住用中

2022年11月06日

子ども・教育

川底の砂利をならして産卵地の整地をする児童生徒ら=5日、奄美市住用町

奄美市住用町の住用小学校(山美奈子校長、児童18人)と住用中学校(原憲正校長、生徒11人)は5日、世界自然遺産地域となっている同町の役勝川で、絶滅危惧種のリュウキュウアユの産卵地整地作業を行った。児童生徒は大きな石を丁寧に取り除き、産卵に適した環境を整えた。

 

リュウキュウアユは奄美大島の固有種で、季節ごとに川と海を行き来する。環境省のレッドリストでは絶滅危惧IA類。県は条例で希少種に指定し保護している。

 

住用小では環境教育の一環として、2006年にリュウキュウアユ保護の取り組みを開始。昨年からは住用中も加わり、小中合同で観察会や調べ学習などを行っている。

 

リュウキュウアユの産卵期は11~2月。この日は産卵地となっている役勝川下流の約5平方メートルの場所を整地した。リュウキュウアユ養殖技術者の又野峰誓さん(44)が指導し、児童生徒や保護者、地域住民も一緒に作業を行った。

 

作業内容は▽産卵の邪魔になるこぶし大以上の石を川岸に移動させる▽卵に酸素を行き渡りやすくするため、くわで砂利をならして土を取り除く―など。児童生徒らは膝まで水に漬かりながら、丁寧に作業を進めた。

 

小学6年の重井美心都さん(11)は「大きな石を移動させるのを頑張った」、中学3年の池島希生さん(14)は「大変だったけど、リュウキュウアユにとって良い環境をつくりたい」と笑顔で話した。

 

住用小の所崎陽教頭(46)は「保護活動を通して、児童生徒には限りある自然や命の大切さを学んでほしい。この取り組みをもっと広めていけたら」と話した。