当事者との接し方学ぶ 認知症サポーター養成講座 寸劇など通し理解深める 東城小中学校

2022年07月17日

子ども・教育

児童生徒らが認知症の症状や当事者との接し方などについて学んだ認知症サポーター養成講座=15日、奄美市住用町

奄美市住用町の東城小中学校(永井孝典校長、児童生徒28人)で16日、認知症について理解を深める「認知症サポーター養成講座」があった。東城スポーツクラブ(師玉当太代表)の児童生徒と保護者ら約30人が参加。認知症の症状や当事者との接し方などについて、講話や寸劇を通して学んだ。

 

認知症に対する正しい知識を周知し、当事者にやさしい地域づくりを目的とした事業。県などが実施している研修を受講し、認知症について啓発する「キャラバン・メイト」の認定を受けた講師が、地域や学校などで講座を行う。

 

この日は、キャラバン・メイトの平井雅也さん(43)と住用総合支所包括支援センターの職員らが講師を務めた。認知症について①目や耳から得た情報を忘れる②大事な情報やこれまでの経験なども忘れる③日常のことができなくなる│と進行の過程を説明したほか、寸劇では祖母役と孫役の会話を通して、買った物などをすぐに忘れてしまう認知症の症状を再現。祖母の認知症が進行する様子を孫目線で語る絵本「大好きだよキヨちゃん。」の読み聞かせもあった。

 

平井さんは「認知症の当事者は何を忘れたかが分からなくなるため、症状を自覚しても訴えられずに強い不安を感じることが多い」とし、「気になったら声を掛けたりかかりつけ医に相談したりして、困っていることを話しやすい環境をつくってあげることが大切」と語った。

 

講座後、児童生徒らは認知症のキッズサポーターであることを示す「オレンジリング」と認定カードを受け取った。同小6年の政蓮さん(11)は「認知症の人がどう思っているのか、どう接したらいいかが分かった。あいさつをして話し掛けてあげたい」と話した。