持続可能な循環型社会形成へ 県大島支庁がシンポ開催 与論町

2022年03月25日

政治・行政

持続可能な循環型社会形成の必要性などを探った「環境文化プロジェクト事業シンポジウム」=19日、与論町役場

【沖永良部総局】県大島支庁主催の環境文化プロジェクト事業シンポジウムが19日、与論町役場であった。テーマは「奄美群島のこれからの地域戦略~持続可能な循環型社会の形成に向けて~」。総務省地域力創造アドバイザーで一般社団法人持続可能な地域社会総合研究所の藤山浩所長による基調講演や地元経営者の活動報告などがあり、参加者は与論島での持続可能な循環型社会を形成する必要性と可能性を探った。

 

シンポジウムは、奄美群島のポテンシャルを生かして持続可能な循環型社会の形成に寄与する実践活動の促進などを目的に開催。藤山さんに加え、鹿児島大学の小栗有子准教授と、与論町で宿泊業などを展開するYUIHOSTELの栁田真希代表も登壇した。

 

藤山さんは、人口減少対策や地域活性化策などについて、「人口診断」「地元関係図」など独自のデータ分析法を使って解説した。地域内経済を循環させることの重要性も訴え、元気なコミュニティーをつくる10カ条として「集い」や「連結」、「地域外との交流の窓口」などを示した。

 

循環型社会形成へ向けては、「小規模」や「分散」、「ローカル」をキーワードに挙げ、国内外の先進事例を示した上で「世界は無数の地元でできている。だからこそ美しいし、強い。地元に長続きし、命が宿るような仕組みを考えていくべき」などと語った。

 

リモート参加した小栗さんは、奄美群島の起業家・職業人支援に特化した鹿児島大学の教育プログラムの一環である「環境文化実習」を紹介。栁田さんは、与論島での持続可能な観光の取り組みを報告した。

シンポジウムは18日に喜界町でもあった。29日は、和泊町役場での開催を予定している。