「地域の心」文化財守る 防火デーで消火訓練 喜界町

2025年01月31日

地域

バケツリレーで消火に取り組む住民ら=26日、喜界町

「文化財防火デー」の26日、喜界町教育委員会と大島地区消防組合喜界消防分署、喜界消防団は、同町小野津集落の八幡神社で防火訓練を実施した。毎年恒例の訓練で、今回は住民約40人が参加。初期消火の手順や消火器の取り扱いなどを学びながら、地域文化財の価値を再確認した。

 

訓練は神社から出火したとの想定で、集落住民が消防へ通報。住民らがバケツリレーで初期消火を行い、到着した消防隊員が消火活動と並行し、住民と共に文化財を搬出した。

 

喜界消防分署の瀧元洋平乙部隊長は「不慣れで戸惑いながらも即座に工夫を加え、効率良く消火活動を行っている様子を見て、訓練から学ばれていると感じた」と講評。町文化財保護審議会の外内淳会長は「境内には大変貴重な焼き物があり、古くから伝承と共に大切に守り継いできた。焼き物は現在、町の施設で保管しているが、文化財には地域の心を支える価値がある。これからもその価値を伝えてほしい」と協力を求めた。

 

早町小学校5年生の吉内小夏さん(11)は「大きな火をみて火事は怖いと思ったが、火を消す練習も見たのでよくわかった。自分たちの近くに、とても古くて大事なものがあることを初めて知った。大切にしたい」と話した。初めて訓練に参加したという小野津在住の土岐初代さん(78)は「実際にやってみることはとても大事だと思った」と語った。