住民と交流、伝統文化体験 移住体験ツアーに4組7人 奄美大島
2025年01月20日
地域

奄美大島移住体験ツアーの一環で、名音集落であった「八月踊り体験」の様子=18日、大和村
NPO法人あまみ空き家ラボ(佐藤理江理事長)主催の「奄美大島移住体験ツアー」の参加者一行が18日夜、大和村名音集落(福山良平区長)を訪れた。島での暮らしを学ぶ2日間のツアーの一環で、東京や大阪、大分から4組7人が参加。同集落の八月踊り体験や住民との懇親会を通じて、地域の伝統文化に理解を深めるとともに、生活のイメージを膨らませた。
ツアーは17、18の両日に実施。参加者は初日、奄美市笠利町や龍郷町で同法人の空き家サブリース(また貸し)物件や中長期滞在向けの宿泊施設などを見学(希望者のみ)したほか、奄美市役所で島内各自治体担当者から移住支援制度などの説明を受け、夜は名瀬の郷土料理店で先輩移住者らと交流した。
18日は大和村各地を回り、集落散策や村営住宅、空き家、観光名所などの見学、先輩移住者との交流を行った後、名音を訪れた。
名音生活館であった交流会には、子どもから高齢者まで集落の住民約20人も参加。住民から男女が歌を掛け合い、太鼓(チヂン)をたたきながら踊る八月踊りの手ほどきを受け、輪に入り一緒に踊った。鍋や料理を囲み、集落の暮らしぶりについても話を聞いた。
大分県から参加した桑嶋利彦さん(46)、真希さん(46)は現在、半年に一度奄美を訪れており、2年後には移住予定。「家探しの困難さを感じた。各自治体の話を聞けてよかった」「先輩移住者の(空き家を自身で修繕する)DIYの話も参考になった」とそれぞれ話し、「奄美への移住の気持ちは揺らがない」と笑顔を見せた。
名音集落には2024年12月末現在、103世帯183人が居住。人口減少が緩やかに進む中、同年8月に空き家対策作業部会を設立し、移住者の受け入れや集落の活性化につなげようとしている。福山区長(45)は、「少子高齢化の中、移住者が増えることは理想。積極的に受け入れることを発信していきたい」と話した。
主催者代表の佐藤理事長(49)は「寒く天気が悪い時期や梅雨時期など、南国の理想とは異なる季節に来てもらうことが重要。長期滞在なども含めて、島のリアルな(現実の)生活を知った上で、移住していただきたい」と語った。