大規模災害への備えを 仮設住宅建設を想定し訓練 徳之島町

2025年01月17日

地域

応急仮設住宅の建設候補地を訪れ調査する訓練参加者=16日、徳之島町徳和瀬

地震や台風など大規模災害時の応急仮設住宅建設を想定した訓練が16日、徳之島町であった。県が主催し、徳之島、沖永良部島の5町の担当者が参加。机上訓練や現地視察を通して、建設候補地の調査や地形に応じた住宅配置計画案の策定など、有事に迅速な対応を取り、減災につなげるための手順を確認した。

 

応急仮設住宅は大規模災害で住まいを失った被災者が恒久的な住宅を確保するまで使用する仮の住居として、期間限定で供給される。県内では、2015年の口永良部島での噴火による島民避難に伴い、屋久島町に仮設住宅27戸と集会場1戸を整備した例がある。

 

訓練では一般社団法人プレハブ建築協会からアドバイザー4人を招き、昨年元日に発生した能登半島地震での事例などを参考にしながら仮設住宅が供給されるまでの一連の手順を確認した。

 

徳之島町役場であった座学では仮設住宅建設地の条件として、津波、土砂災害など各種ハザードマップを活用して安全な土地を選ぶこと以外にも▽病院や学校などへのアクセス▽上下水道などのライフラインの有無▽資材の搬入経路の確保―などさまざまな要素が求められることなどを学んだ。

 

現地調査は徳之島町が約80戸の建設を想定している町健康の森総合運動公園多目的広場であり、訓練参加者らは現地の傾斜や段差、搬入経路などを確認。調査内容をもとに仮設住宅の配置計画案を作成した。

 

町建設課の作城なおみ課長は「仮設住宅の建設に求められる条件はかなり厳しい。他の候補地もしっかり状況を把握しておく必要がある」と訓練を振り返り、「実際に徳之島で災害が起きた際に迅速に対応できるよう準備を整えておきたい」と語った。

 

県建設課住宅政策室の税所友明係長は「災害時に最前線で対応するのは被災地の職員。建設地の確保が難しく、資材が届くのに時間がかかるなど離島特有の課題もあるので、事前に災害を想定して入念に準備をしておく必要がある」と訓練の意義を強調した。