子ども食堂ネットワーク発足 奄美大島11団体が連携 食材や情報を共有
2025年02月01日
地域

奄美大島こども食堂・地域食堂ネットワークを立ち上げた11団体の関係者ら=31日、奄美市名瀬
児童生徒や地域住民らへ無料・少額の食事提供などを行っている奄美大島の11団体はこのほど「奄美大島こども食堂・地域食堂ネットワーク」(井上隆文代表)を立ち上げ、31日に奄美市名瀬でキックオフミーティングを開いた。企業などから寄付された支援品の分配や運営者同士の情報交換、地域への情報発信などに協力して取り組み、各団体の活動強化や運営の安定化を目指す。
ネットワークの立ち上げは各団体の継続的な運営の支援や物資の受け皿づくり、地域内の連携体制の構築などを目的に、県の「2024年度子ども食堂地域ネットワーク拠点づくり支援事業」を活用。会合は奄美市名瀬の新川ふれあい館であり、加盟団体の関係者や自治体担当者、支援団体関係者ら57人が出席した。
井上代表は「食を通して人と人のつながりが生まれる。これから一緒に頑張っていこう」とあいさつ。鹿児島市の任意団体かごしまこども食堂ネットワークの園田愛美代表は「それぞれが互いの応援団となり、温かい社会の輪を広げて」とエールを送った。
県保健福祉部子ども政策局の新川康枝局長は県内の子ども・地域食堂の概況を説明。食事を提供するだけでなく学習支援やさまざまな体験活動を通した地域づくりの場、年齢を超えた交流拠点などとしても機能しているとして、「各団体の自主性や多様な在り方を尊重し、活動が安全で安定して行えるよう支援していく」と述べた。
奄美大島ネットワークに加盟したのは奄美市名瀬7団体、瀬戸内町2団体、龍郷町と宇検村の各1団体。地域の高校生がボランティアとして活躍していたり、廃校となった小学校跡地を地域の憩いの場として活用したりと、各団体の特色を紹介し合い、交流を広げた。
井上代表は「ネットワーク設立を機に、こうした取り組みが他の地域にも広がっていってほしい。実施を検討している人には運営ノウハウを提供したい」と話し、参加を呼び掛けた。また、同ネットワークは地元企業などからの寄付も受け付けている。
奄美大島こども食堂・地域食堂ネットワークへの問い合わせは電話090(8981)1009井上代表へ。