活動継続に理解と支援を 猫部10周年でチャリティーイベント 奄美市名瀬
2024年07月29日
地域
一般社団法人奄美猫部(久野優子代表)の設立10周年チャリティーイベントが27日、奄美市名瀬大熊町のカフェ「COVOTANA(コボタナ)」であった。ペットの悩み相談やグッズ販売・制作(受注)などがありペット愛好家らが訪れた。一方、活動継続に向け課題は多く、久野代表は理解と支援を訴えた。
同部は2014年7月に島内の猫を巡る問題の解決を目的に発足。「人も猫も野生動物も住みよい奄美大島!」を目指し、保護猫の譲渡や適正飼育の啓発活動などに取り組んでいる。現在、部員とサポーター会員を合わせて約40人。
19年からは奄美市名瀬地区で「外ネコの生息調査」を継続。災害時に飼い主が中心となり、ペット同室避難所の開設や運営を担う「奄美大島ペット防災の会」も立ち上げ、今年5月に市と協定を結んだ。
久野代表によると、設立当初は外飼いも多く、活動への理解を得られず、飼い主と飼い主以外の両方から非難を受けることもあったという。サポーター会員は約70人いたが近年は〝終わった問題〟として扱われることもあるといい、寄付金を含めて減少している。
適正飼育への理解は進む一方、高齢飼育者の死亡や施設入居に伴う猫の引き取りの相談が増加しており、保護猫の飼育スペース、医療費、管理費なども含め問題は山積みという。
部員のボランティアに頼る現状には限界があり、活動継続に向けて、愛猫家から月会費を受け必要時には奄美猫部が有料(同部卒業猫は無料)で猫を引き取る「たすけあい制度」を8月から開始するほか、さまざまな取り組みを検討している。民間の試算によると、猫1匹の飼育費用に最低年間13万円、生涯約200万円掛かるとされる。
久野代表は「島の人の協力があってここまできた。飼い主が多くの猫を引き取ったおかげで、奄美の自然が守られている。活動を継続しないと、屋外の猫が爆発的に増加する。行政を含め、協力を得ていきたい」と訴えた。