出産支援プランが大賞に 与論、課題解決案16組発表

2022年02月28日

地域

出産支援策について発表し、イノベーんちゅ大賞を受賞した内野さん=27日、与論町

与論町の地域課題解決へ向け、さまざまなアイデアを発表するビジネスコンテスト「与論イノベーんちゅAward2022ワイたんDAY」が27日、同町の砂美地来館であった。与論島内外の中学生から一般まで16組が、文化継承や子育て支援など多彩な分野で活性化策を提案。最高賞のイノベーんちゅ大賞には、同町のNPO法人よろん出産子育て応援隊あんまぁ~ず代表の内野正世さんが発表した沖縄本島で出産準備期などに利用できる宿泊サービス「Yadoo!プロジェクト」が輝いた。

 

コンテストは、町の地域産業創出人材育成事業の一環。事業プランの作成方法などを学ぶ町主催の「島とあなたの未来を創る実践型講座・イノベーんちゅ」(受講生14人、計10回)の成果発表も兼ねて初開催した。

 

イノベーんちゅは、「イノベーション(技術革新)」と「ぴちゅ(人)」を合わせた造語。実践講座など一連の事業は、奄美群島成長戦略推進交付金を活用し、同町の学習塾まなび島(田畑香織代表)が企画運営している。

 

コンテストでは、提案者の熱意や事業の持続可能性などを総合的に審査。発表は1人5分で、発表後に3分の質疑応答を行った。入賞4組には事業プランに応じた支援金などが贈られる。

 

大賞の内野さんは、与論島では医療機関での出産ができず、妊婦とその家族の経済・精神面での負担が大きいと指摘。これまで沖縄県那覇市にマンションの1室を借りて出産予定者の待機施設として安価で貸し出す取り組みを展開してきたが、2月から貸し部屋をさらに4室増やしたと紹介。室内のインターネット環境改善など、今後必要な事業プランを発表した。

 

このほか、与論高校1年の川畑光麗さんは観光土産になるお菓子の商品開発を提案。サンゴをかたどったクッキーを商品例に挙げ「与論島のサンゴを守ることにもつなげたい」と力を込めた。方言の昔話の動画配信や障がい者らが気軽に立ち寄れるブックカフェなどの発表もあった。

 

まなび島の田畑代表は「コンテストは来年度も実施する計画。今回は身近なプランが出てきた。今後、奄美群島や日本全体を変えていけるようなプランに磨き上げてもらいたい」と話した。

 

大賞以外の入賞は次の通り。(敬称略)

▽グレートチャレンジ賞 元井大治郎「ちながゆん(繋がり)プロジェクト」▽ローカルインパクト賞 菊凛太郎「言葉は宝~ユンヌフトゥバのある暮らし」▽パッション賞 野口貴子「Neo Senior Citizen(鳳励舎)」