タンカンシーズン到来 瀬戸内町ではさみ入れ式 JAあまみ大島事業本部
2025年02月02日
社会・経済

タンカンにはさみを入れ、収穫シーズンを祝う関係者=1日、瀬戸内町
JAあまみ大島事業本部主催の2024年度産「奄美たんかんはさみ入れ式」が1日、瀬戸内町の池島果樹園であった。生産者と同事業本部、行政などから約50人が出席。たわわに実ったタンカンにはさみを入れ、収穫シーズンの到来を祝った。
県大島支庁農政普及課によると、24年度産は表年の影響で、前年より全体的に生産量は増加する見通しで、奄美大島全体では約1100トンを見込む。
品質面については昨夏の記録的な暑さや秋の長雨による日照不足で、酸切れが早く低糖低酸傾向が見られ、果実の品質低下による出荷規格の等級(秀・優・良)に該当しない規格外品に区分されることなどへの懸念から生産者は共販出荷に慎重な姿勢。
このため、総生産量は前年度を上回る一方、同事業本部の共販量は前期実績18・4トン減の61・3トンを計画する。
はさみ入れ式で大島事業本部果樹部会の藤村秀久副部会長は「温暖化による気象変動もある中、環境に合わせた形で生産安定を図ってほしい。光センサーを通した果実を届けられるよう、一丸となって(選果場への)出荷を」とあいさつ。来賓として、瀬戸内町の鎌田愛人町長、県大島支庁農政普及課の中実課長が祝辞を述べた。
園主の池島修さん(68)は自身の園地に施した防風林、防風ネット、防鳥ネットによる強風や鳥獣対策を紹介し「あと5年で(対策ができた)完璧な園地を作りたい。これから精進してもっといいものを作り、消費者の皆さんにきれいでおいしいミカンを提供したい」と語った。
修さんと昭子さん(74)夫妻、関係機関の代表がはさみを入れ、鮮やかに色付いたタンカンを手に笑顔を見せていた。
奄美大島選果場の稼働は先月25日にスタート。6日には奄美市農業研究センターで24年度の奄美群島タンカン品評会の審査があり、7日に結果が公表される。