仏ソムリエらが蔵視察 黒糖焼酎の魅力に触れる 奄美大島
2025年01月19日
社会・経済

仏ソムリエらが蔵視察 黒糖焼酎の魅力に触れる 奄美大島
フランスからソムリエやバーテンダーらを招き、九州産の本格焼酎や日本酒を知ってもらうプロモーションツアーが18日、奄美大島で始まった。参加者は蔵元を訪ね、製造工程の見学や試飲を通して奄美黒糖焼酎の魅力を体感した。奄美関係では19日までに4酒造を巡り、20~23日は鹿児島、熊本、福岡、長崎4県の15酒造を訪問する。
ツアーはフランスでの九州産酒類の認知度向上と輸出拡大を図る目的で、経済産業省九州経済産業局と鹿児島県などが主催。現地で日本産酒類の普及活動に取り組む「Kura Master(クラマスター)」協会から、一流レストランやバーで活躍する専門家7人が招かれ来日した。奄美での実施は初めて。
初日は奄美市名瀬の弥生焼酎醸造所(川崎洋之代表社員)を訪問し、米と麹(こうじ)で仕込んだもろみに溶かした黒糖を加えてアルコール発酵をさせる様子などを見学。川崎さんは製造工程の説明とともに、薩摩藩支配下で黒糖生産が盛んになった奄美の歴史や、戦後の米軍統治下で島外へ出荷できない黒糖を使った焼酎造りが始まった経緯なども紹介した。
見学の後は同社の焼酎5銘柄を試飲し、使用した黒糖の産地や熟成方法による味の違いをじっくりと確かめた。参加者の一人でパリとリヨンにバーとレストランを経営するオーナー・バーテンダーのサラ・ムードゥローさん(31)は「日本らしい熱意とまじめさを感じ、味わいもとても気に入った。滞在中に歴史や風景も含めて奄美のことをたくさん知り、それらとともに客に提供したい」と話した。
19日は龍郷町の奄美大島酒造、奄美市名瀬の西平酒造、富田酒造場を訪ねる予定。