外国人観光客受け入れで接遇セミナー=奄美市
2018年03月18日
社会・経済
奄美産業活性化協議会主催の「奄美版 接遇・英会話プログラム構築事業公開セミナー」が17日、奄美市名瀬のホテルであった。外国人観光客の約半数が滞在中に「言葉」で困ったというアンケート結果も示され、パネルディスカッションでは外国人観光客に正しい情報を伝えるための体制づくりを課題に位置付けた。
厚労省委託の実践型地域雇用創出事業(2017~19年度)の一環。受け入れ関係事業者や奄美での創業希望者、外国人受け入れに関心のある市民など約40人が参加した。
アンケートは17年8月末から12月にかけ、奄美大島を訪れた外国人観光客や地元の観光関係団体などを対象に実施。外国人観光客78人と、地元51団体から回答を得た。
「奄美で困ったことは何ですか」(複数回答)の質問に、38人の外国人観光客が「言葉」と回答。地元団体は、6割以上に当たる32団体が「外国人に言語による会話で対応できるスタッフがいない」と回答した。
アンケート報告後のパネルディスカッションでは、観光関係者や島内在住の外国人翻訳家など関係者5人が、今年夏の実現が期待される世界自然遺産登録も見据えてそれぞれの立場から意見を述べた。
観光まちづくりを手掛けるコンサルタント企業の高光美智代さんは「奄美の人々は、人を受け入れる『おもてなし』の素地が出来上がっている」と評価。一方で「自然遺産登録に伴う外国人観光客の急増は避けられない」とし、円滑な意思疎通に向けた案内表示板など、島の情報をしっかり伝えられる体制づくりを提言した。
奄美国際懇話会顧問の上原敏男さんは、多言語に対応した受け入れ拡充の必要性を示し、「簡単な英語で意思が通じることがある。一般の人々も積極的に外国人と触れ合って、対応してほしい」などと呼び掛けた。