島独自の魅力を体感 観光関係者対象に環境文化実習 徳之島
2025年01月27日
社会・経済

現地で得られた見識を整理、発表する実習参加者=26日、徳之島町亀津
【徳之島総局】奄美群島内の観光関係者を対象とした奄美環境文化実習が25、26の両日、徳之島であった。群島内から15人が参加。徳之島各地の観光資源を巡り、島独自の文化などを体感したほか、ワークショップや座談会も実施。将来の群島間の観光連携を見据えながら情報共有と意見交換を行った。
同事業は、鹿児島大学法文学部の小栗有子教授が2021~23年度に実施してきた環境文化プログラムを活用して県が主催。現地実習でより知見を深め、今後の観光連携も視野に入れながら、各島とシマ(集落)の個性や共通の課題などを探る目的で実施した。
島外からの実習参加者らは2日間かけて伊仙町の面縄集落やカムィヤキ遺跡群、古民家の前里屋敷などを訪問。阿権小学校の児童が集落の魅力を紹介する「島っ子ガイド」や同町の伝統文化財に指定されている「ふり茶」などの観光メニューも体験した。
最終日は徳之島町生涯学習センターで座談会とワークショップがあり、実習での体験や気付いた点を整理した。徳之島の魅力について、参加者からは「他の島よりも地質の多様性に富んでいる」「農業の島という側面が強いが観光面でも伸びしろがある」などの意見が出た。
同プログラムに毎年参加している徳之島観光連盟の林美樹事務局長は「他の島の人たちに紹介することで、改めて徳之島の魅力を再確認できた」と実習を振り返り、「今まで島を越えた旅行商品の開発は難しかったが、今回の成果を生かして実現していきたい」と展望を語った。
小栗教授は「観光分野で頑張っている人たちが横断的に交流し、共通の課題を共有できたことが一番の成果」と実習を総括し、「この事業で得られたつながりをどのように継続、発展させるかが重要。今後も各島をつなげていくためにも、年度ごとに島を変えて開催していきたい」と意欲を示した。