タクシーもキャッシュレス ペイペイ決済120店舗に拡大 与論島

2019年08月06日

社会・経済 

助手席の後ろに貼られたQRコードをスマホで読み取って決済できるようになった南陸運のタクシー=5日、与論町

助手席の後ろに貼られたQRコードをスマホで読み取って決済できるようになった南陸運のタクシー=5日、与論町

  【沖永良部総局】与論町内でバスの運行やタクシー業を行う南陸運㈱(南有隆社長)は2日から、所有するタクシーにキャッシュレス決済を導入した。与論島では今年3月から、ヨロン島観光協会と決済事業の大手「PayPay(ペイペイ)」が共同でキャッシュレス決済の普及を図るプロジェクトを進めている。関係者は「これまで現金決済のみだった交通インフラのキャッシュレス導入で、移動の利便性が向上する」と期待する。

 

 キャッシュレスは現金を使わずに支払いをする決済方法。近年はスマートフォンを使った決済方法が全国的に急拡大しており、ペイペイもその一つ。

 

 タクシーの助手席の後ろに付いているQRコードを利用者がスマホで読み取り、料金を入力。運転手にスマホ画面を見せ、入金を確認したら決済完了となる。料金はアプリと連動する利用者の預金口座やクレジットカードから引き落とされる。

 

 同社では所有する6台のうち4台にペイペイでのキャッシュレス決済を導入。残る2台も近く導入するほか、関係機関と協議のもと、バスのキャッシュレス導入も検討している。

 

 導入理由について南社長は「キャッシュレスが普及する中、お客の利便性向上とタクシーの需要拡大が目的。観光協会が積極的に推進しているほか、消費税率引き上げに伴い、国もキャッシュレス決済利用者を対象に還元事業を導入するなど、世の中の流れを受けての対応」などと話した。

 

 与論島では島民と観光客の利便性向上やインバウンド(訪日外国人客)対策の一環として今年から同観光協会が主体となって、島内事業所のキャッシュレス化を推進。昨年12月時点でクレジットカード対応は島内で10店舗未満だったが、今年8月現在、120店舗余がペイペイ決済を導入。キャッシュレス化が進んでいる。