物流再開に安堵の声 奄美群島にフェリー入港 旬のスモモはあす島外へ

2023年06月05日

社会・経済 

4日ぶりに名瀬港へ入港したフェリー「クイーンコーラルプラス」と荷役に追われる港湾関係者ら=4日、奄美市の名瀬港

台風2号の影響で欠航が続いていた定期航路が運航を再開し、奄美群島の各港に4日、待望のフェリーが入港した。奄美大島では4日ぶり、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島では8日ぶりに物流が再開。流通関係者や住民から安堵(あんど)の声が寄せられた一方、「慣れているから」と落ち着いた様子を見せる人も。収穫期を迎えた奄美大島特産のスモモ「奄美プラム」は5日、島外へ向け出荷される。

 

奄美市の名瀬港では4日早朝、県本土からのフェリーや貨物船が次々と入港。港湾、小売業関係者は荷役や納品に追われた。

 

同市名瀬のスーパー「イオンプラザ大島店」では午前9時の開店時は商品棚に空きが見られたものの、正午ごろにはほぼ通常通りの品ぞろえに。谷川祐一店長は「今回はフェリー入港日が早めに決まり、それに合わせ発注でき品ぞろえを戻すことができた」とほっとした様子で語った。

 

沖永良部島にも5月27日以降、ようやく定期船が入港。島内のスーパーは買い物客でごった返した。

 

知名町の70代女性は「豆腐、乳製品、パンなどがなくなって、今日買うことができて良かった。いつも台風時は前もって準備はするが、やはり足りない物は出てくる」と話した。

 

一方で「(台風による長期欠航は)もう慣れてるから特に困らなかった」「長い間使わずにいた食材の整理ができて良かった」「地元産食材があって助かった」と話す住民もいた。

 

奄美関係の海の便は5日ほぼ正常運航に戻る見込みで、島外への出荷が滞っていた「奄美プラム」も同日に名瀬を出港する船便で出荷する。

 

JAあまみ大島事業本部営農販売課の前田信人販売係長は「これまでに収穫、冷蔵保存していた分はすべて出荷予定。九州、大阪など出荷先を分散しているが、価格がどうなるかは分からない」と懸念を示した。