コロナ禍越え、大島紬販売促進 やまと提案、初のオンライン選品会

老舗着物専門店「やまと」が初開催したオンライン選品会の産地側のプレゼンテーション=12日、奄美市名瀬の本場奄美大島紬協同組合

 新型コロナウイルス禍で従来のマーケティングが難しい大島紬の販売促進につなげようと、全国で約100店舗を展開する老舗着物専門店「やまと」(本社・東京都)が12、13日の2日間、初となるオンラインでの選品会を行った。各地の店舗と、奄美市名瀬の本場奄美大島紬協同組合をテレビ会議システム・Zооm(ズーム)でつなぎ、機屋関係者らが大島紬の魅力や商品への思い入れなどを販売員にPR。同組合はコロナの収束が見通せない中、新たな販売方法の確立や効果的な情報発信に期待を寄せている。

 

 これまでは産地の業者が東京に出向いて選品会を開いていたが、コロナ禍で人の移動に制限がかかることなどから、やまと側が同組合に提案してオンラインでの開催が実現した。オンラインを活用した取り組みでは昨年、やまとの社員が大島紬の製造工程などを学ぶ研修や、顧客らを対象にした大島紬の「産地Zооmライブ」を企画した。

 

 選品会の奄美会場には反物がずらりと並び、同組合や機屋から計約700点が出品された。やまとのスタッフ4人も奄美入りし、パソコンやスマートフォンの画面上に商品を示しながら、その特徴や職人の思いなどを紹介した。やまとでは「大島紬ストーリー」をテーマに掲げ、季節に合わせたスタイリングを演出するコンセプトの下、今後の販売を展開していく。今回の選品会で選んだ商品は1カ月の期間限定で販売する。

 

 新型コロナの影響で2020年度は、全国で着物の販売会の中止や規模縮小が相次いだ。大島紬関連でも、今年の1、3月に東京と京都で予定していた大型催事が中止となり、作っても売る場所がないという生産者にとって厳しい状況が続いていた。

 

 やまとの乃一勝美取締役は「選品会を一つの会場で開催する場合はある程度の規模が必要で、このコロナ禍では難しい。産地では生産と売り上げのギャップもある中で、関係者と長いお付き合いのある大島紬を支援したいという思いもあり、初めてのZооm選品会を開かせていただいた」と語った。

 

 同組合の牧雅彦理事長は「販売力、集客力があるやまとさんにこのような形で選品会を開いてもらい、大変ありがたい。コロナ禍がいつまで続くか分からないが、オンラインで販売できようになっていけば、産地としても心強い」と述べた。

パソコンの画面上に映る「やまと」各店舗の販売員ら=同