世界遺産で記念イベント 来島誘致向けオンラインで奄美PR 山羊島観光など主催

児童らへ奄美の自然、文化をアピールするオンラインイベントを企画した田中さん(左)と有村さん

 奄美市と龍郷町でホテルと観光施設を経営する奄美山羊島観光社らはこのほど、奄美・沖縄の世界自然遺産登録を記念したイベント「奄美大島の自然と文化を丸ごと体感 オンライン自由研究」を開催した。ウェブ会議システムを使い、島外在住の児童ら41人が参加。クイズや小物作りなどのワークショップを通して、奄美独自の生態系や伝統文化などについて学んだ。

 

 夏休み中の児童に奄美大島の特徴や魅力を深く知ってもらうとともに、新型コロナウイルス終息後のファミリー層の来島誘致につなげる目的で同社が企画。同社と福岡市の旅行会社アイ・ダヴリュー・エイ・ツアー社らでつくる実行委員が主催した。

 

 プログラムは2日間の日程で、7月31日~8月1日と、8月8~9日の2回実施。奄美大島の概要と世界自然遺産について説明があった後、生き物と植物染織について専門家がワークショップを展開した。

 

 奄美自然環境保護協会の常田守会長は、アマミノクロウサギやアマミトゲネズミなどの奄美大島固有の希少動物について、写真や動画を用いて解説。「奄美の動物たちはハブを頂点に生態系を築き、ハブから身を守るように進化してきた」と述べた。

 

 染織工芸家の安田謙志さんは、奄美で古くから利用されてきた天然染料や植物繊維を紹介。参加者は事前に送付されたキットを使い、アダンの根の筆作りに挑戦した。鉄分を含んだ奄美の泥田の水を墨代わりに、シイの木染めの布に絵を描き、本場奄美大島紬に用いられる泥染めの仕組みを学んだ。

 

 イベントを企画した奄美山羊島観光・浜千鳥館の田中佐一郎支配人(67)は18日、南海日日新聞社を訪れ、「子どもの目線を意識することで、伝え方や発信方法を再考するきっかけになった」と話した。

 

 同社企画IT部門の有村奈津美さん(26)は「来島前に奄美の環境保全や文化について理解を深めてもらうことで、『どこかのリゾート地ではなく奄美に行きたい』という意識の高い旅行者を獲得できる」と期待した。同社は今後、大人を対象にした「深堀りプラン」も実施する予定。