持続可能な観光地づくりを考えるセミナー 奄美・徳之島、屋久島

「レスポンシブル・ツーリズム」の事例報告があったオンラインセミナー=25日

 世界自然遺産の奄美大島・徳之島と屋久島の持続可能な観光地づくりを考えるセミナーが25日、オンラインで開かれた。観光、行政関係者ら約40人が参加。旅行者らに地域の自然や文化の大切さを認識してもらい、配慮ある行動を促す「レスポンシブル・ツーリズム(責任ある観光)」を提唱するハワイなどの事例報告があり、新たな時代の観光の在り方に理解を深めた。

 

 環境省の国立・国定公園での滞在型ツアー推進事業を活用して観光かごしま大キャンペーン推進協議会(事務局・鹿児島県観光連盟)が主催。世界自然遺産の県内2地域で「レスポンシブル・ツーリズム」の視点を取り入れたツアーの造成を図り、旅行者の長期間滞在や地域経済の活性化を目指す。

 

 セミナーではハワイ政府観光局日本支局長のミツエ・ヴァーレイさんが「ハワイツーリズム戦略の方向転換と今後の再生型観光」をテーマに事例発表した。人気の観光地として訪問者が増える一方、地元住民の観光業に対する満足度が低下する中、ハワイ州が2000年に打ち出した自然保全、文化継承などを柱に掲げた観光戦略について紹介。

 

 「地元の人たちが大切にするもの、何を守っていきたいかをしっかり話し合って理解し、体験プログラムをつくり、観光業が啓蒙していくという連動性が大切」と呼び掛けた。

 アメリカの国立公園やガイド事業者によるレスポンシブル・ツーリズムの取り組みや、日本の持続可能な観光の方向性についての事例報告もあった。

 

 今後は12月に2回のオンラインワークショップを開催してツアー造成を進め、年度内に特設サイトの開設やパンフレット作成、旅行会社などを招いたFAM(ファム)トリップを計画している。