1㍑180円台に ガソリン価格上昇続く 漁業など各方面に影響 奄美大島

原油高騰のあおりを受けて高値が続く給油所=10日、奄美市名瀬

 原油の先物価格の高騰によりガソリン価格の上昇が続いている。経済産業省が10日に発表したレギュラーガソリンの店頭小売価格(8日時点)は、全国平均で1リットル当たり169円と前週より30銭高で、10週連続の値上がり。軽油や灯油、重油などの燃料も軒並み高値となり、県内はもとより奄美大島の各方面にも影響が及んでいる。

 

 2014年8月以来の高値水準の背景には、新型コロナウイルスで落ち込んだ経済活動が世界的に再開する中で主要産油国の増産ペースが緩やかなことから、需要逼迫(ひっぱく)への懸念がある。

 

 都道府県別のガソリン価格は25都道府県で上昇し、鹿児島県は最高値の176円40銭。前週比50銭減となったが、依然、天井を保ったまま。冬場に需要が増える灯油の店頭価格も18リットル当たり2171円とトップだ。

 

 県石油商業組合大島支部によると、奄美市内給油所でのレギュラーガソリン価格(8日現在)は、平均で1リットル当たり180円70銭。前週より4円40銭高く、昨年同月比では34円40銭と大幅な跳ね上がり。灯油も18リットル当たり前週比47円高の2417円となっている。

 

 豊隆文支部長は「離島のガソリン流通コスト対策事業という軽減措置はあるが、昨年にフレート(海上運賃)が上がったこともあり、島への影響は少なくない。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどでつくる『OPECプラス』が生産調整計画の現状維持を決めたことで、元売り各社の動向も、高止まりのまま維持していくことが考えられる」と話す。

 

 市内各所からは悲痛の声が上がる。クリーニング店の店主は「3カ月前に値上がりしたばかりの石油系の溶剤や洗剤、ポリ袋の値が再び引き上がるため苦しい状況」と浮かない表情。

 漁業関係者は「操業してもトントンか下手すれば赤字。軽石の影響で漁を見合わせたり、コロナで魚価も下がったりと非常に厳しい」と嘆く。

 

 LPガスを使うタクシー会社は「月で約6000リットル使用しており、今年1月と比べ、約12万円の痛手。コロナ禍で利用客も減り、回復への見通しは暗い」と苦痛をにじませる。