イセエビ漁が解禁 奄美群島

2020年08月22日

社会・経済 

漁が解禁され、水揚げされたイセエビ=21日、名瀬漁協

漁が解禁され、水揚げされたイセエビ=21日、名瀬漁協

 奄美群島で21日、イセエビ漁が解禁された。奄美市名瀬の名瀬漁業協同組合(満林春男組合長)では、早朝から水揚げされた赤エビ(カノコイセエビ)や青エビ(シマイセエビ)が勢いよく飛び跳ね、競りでは仲買が競り落としていく風景が見られた。今年は台風もなく好天が続き、漁の条件としては好条件がそろったという。

 

 イセエビ漁は資源保護を目的に、産卵期にあたる5月1日~8月20日は禁漁とされている。

 

 名瀬漁協の解禁初日のイセエビの水揚げは103・5㌔(青エビ67・8㌔、赤エビ35・7㌔)。関係者によると、この日は瀬戸内町方面からの水揚げがなかったため、昨年の177・5㌔よりは少なめ。一方、台風の影響で解禁初日に5㌔ほどしかなかった2年前に比べ、例年並みの漁獲量となった。赤エビの最高値は4391円、青エビの最高値は3516円だった。

 

 漁業関係者によると、今年は好天が続く一方、海水温度が上昇し、イセエビが弱りやすくなっているという。また漁解禁初日にもかかわらず、すでに捕獲されかけた跡とみられる触覚が折れ傷ついたイセエビも多かったと言い、「密漁が横行しているのでは」と資源保護に向け警鐘を鳴らす。

 

 満林組合長は「例年通りの漁獲があり、まずまずのスタート。海水の温暖化も気になっている。禁漁期間を守ってもらうよう水産関係者で啓発活動をしていく」と話した。