オンラインで商談会 黒糖焼酎メーカーと輸出商社

2020年11月20日

社会・経済 

オンライン商談会で黒糖焼酎を試飲する商社の担当者=17日

オンライン商談会で黒糖焼酎を試飲する商社の担当者=17日

 奄美大島と喜界島の黒糖焼酎メーカー2社は17日、JETRO(ジェトロ)鹿児島貿易情報センターが主催するオンライン商談会に参加した。新型コロナウイルスの影響により、大型会場で一堂に会する商談会が難しくなったことから、オンラインで商社と事業者を結びつける初の試み。参加事業者はパソコンの画面に向かい、相手商社に熱心に商品をPRした。

 

 ジェトロ鹿児島によると、従来の大会場での商談会は、離島からでは渡航費やスケジュール調整の問題もあり、参加には高いハードルがあったという。オンラインにしたことで、場所を選ばずどこからでも参加でき、商談時間も事前に決められるというメリットが生まれた。

 

 初の試みとなる今回のイベントには、鹿児島産品の取り扱いに興味があり海外輸出実績のある国内商社7社と、海外への販路開拓を目指す県内外25社が参加。ジェトロが事前に双方の志向をすり合わせ、商談時間を決めて行われた。

 

 奄美からは喜界島の朝日酒造と、奄美大島の奄美大島開運酒造が参加し、大阪の輸出商社「MKトレーディング」(桑久保雅巳代表)との商談に挑んだ。両社とも写真やスライドで島の風土や魅力を紹介し、自社の黒糖焼酎をアピールした。桑久保代表は事前に届けられた商品を画面の前で実際に試飲するなどして味を確かめていた。

 

 商談を終え、奄美大島開運酒造の泊浩伸常務取締役は「これまでの大きな会場では、たまたまブースの前に近寄った方たちとの商談だったが、オンラインでは時間が約束されており、しっかり説明できた」と手応えを語った。慣れないオンラインでの商談に「これまではやることが目的だったが、これからは商談成立に至るまで、結果にこだわって活用していきたい」と話した。

 

 桑久保代表は「周りに人がいる大会場での商談より、話しやすい状況だった。実際に試飲もでき、黒糖焼酎の魅力に驚いた。海外に発信する価値があると感じた」と語った。