サンゴ礁文化を資源に 観光関係者がモニターツアー 喜界島

2021年12月12日

社会・経済 

阿伝集落でサンゴの石垣積みを体験する参加者=8日、喜界町阿伝

サンゴ礁の恵みに支えられてきた喜界島の「サンゴ礁文化」に注目したモニターツアー(喜界島サンゴ礁科学研究所主催)が7日から3日間の日程で開催された。地域の文化と生活を体験する観光プログラムを構築するのが目的。群島内を中心に観光関係者ら8人が参加し、サンゴの石垣が多く残る阿伝集落などを巡り、サンゴの石垣積み体験も行った。

 

モニターツアーは、観光庁の「地域の観光資源の磨き上げを通じた域内連携促進に向けた観光庁実証事業」の一環。サンゴ礁の恵みに支えられてきた島の暮らしを文化的な資源として捉え、サンゴ礁文化の保全と地域活性化を目指す。

 

参加者は初日、島の中央部に広がる百之台展望台(標高203メートル)などを訪れ、サンゴ礁が隆起してできた喜界島の特徴や集落の特性などを学んだ。2日目は、阿伝集落の魅力を体験するツアー。ガイドの解説を聞きながら集落を散策し、サンゴの石垣保存会の指導の下、石垣積み体験も行なった。最終日の9日は、阿伝の泊浜海岸のビーチクリーンなどを行い、意見交換した。

 

ツアーに参加した与論民俗村の菊凛太郎さん(29)は「初めて喜界島に来た。与論島も隆起サンゴ礁の島だが、海の環境も集落の構造も違って驚いた」と喜界島の印象を語っていた。