タンカン出荷68㌧ 前年度比33㌧減 JA大島事業本部果樹部会 選果場利用、事前申請を

2022年01月21日

社会・経済 

着色が進み、収穫を控える2021年度産タンカン=16日、奄美市名瀬

JAあまみ大島事業本部果樹専門部会は、2021年度産のタンカン出荷計画量を前年度実績比33・04㌧減の68・46㌧とし、取扱金額3116万5000円、キロ単価455円に設定した。奄美大島選果場(奄美市名瀬)の利用促進を図るため、同選果場に持ち込まれたタンカンの選果手数料を奄美大島5市町村が助成する事業が今年度から始まることから、同部会は選果場利用者に対し持ち込み時期や数量の事前申請を呼び掛けている。

 

例年この時期に出荷販売対策会議を開いているが、今年度は年明け以降新型コロナウイルスの感染者が急増していることを受けて会議を中止。部会員には会議資料を郵送して販売計画へ理解を求める。

 

21年度産の支所別出荷計画は▽名瀬18・45㌧▽笠利1・86㌧▽住用7・8㌧▽龍郷4・6㌧▽大和18・2㌧▽宇検9・55㌧▽瀬戸内8・0㌧。JAの担当者は「下場(平地)のほ場は2月10日ごろまでに収穫を終え、出荷してほしい」と要請している。

 

21年度産も宅配を主体とした販売で農家の手取りアップに取り組む。生産者には腐敗果・病害果の混入防止やへたの切り落としの徹底、収穫後に果皮を乾燥させて商品性を向上させる予措期間(最低でも3~4日)の実施など、品質低下防止を求めている。

 

糖度などを測定できる光センサーを備えた選果場は13年2月に供用開始したが、主力のタンカンの取扱量は例年、計画を下回っている。選果手数料を助成する選果場利用促進助成事業は、こうした状況も踏まえて20年度、宇検村が先行実施。残る奄美大島4市町村も今年度予算化し、選果場利用拡大による品質安定化でブランド力向上を目指す。

 

助成内容は、光センサーを通したタンカンの品質が「良」以上の場合、キロ当たり26円の選果手数料が無料になる。個人出荷分の集荷曜日は火・木・土の各3日間。2月1日に奄美市名瀬ではさみ入れ式があり、同日から選果場が稼働する。終了は3月11日を予定している。

 

JA担当者は「規格外品になると助成対象にならないので農家の負担が増える。家庭選果をした上で持ち込んでほしい。混雑を避けスムーズな選果を行うためにも、個人出荷分の選果を希望する農家は事前に連絡を」と呼び掛けた。

 

選果場利用に関する問い合わせは0997(54)9600奄美大島選果場(担当・前田さん)へ。