タンカン皮切りに販売代行 奄美せとうち地域公社始動

2019年02月20日

社会・経済 

 タンカンの取り扱いを皮切りに事業をスタートさせた奄美せとうち地域公社=19日、瀬戸内町

タンカンの取り扱いを皮切りに事業をスタートさせた奄美せとうち地域公社=19日、瀬戸内町

 小規模農家の支援やふるさと納税返礼品の拡充を目的とした合同会社奄美せとうち地域公社(代表社員・鎌田愛人瀬戸内町長)が1日、始動した。同町須手にある同社集荷場で町内登録農家から持ち込まれたタンカンを取りまとめて選果(農協に委託)や箱詰め、出荷を代行している。担当する町企画課の泰山祐一さんは「まだ試験段階だが、スタートとしては順調。今後は加工品開発やタンカン以外の可能性も探っていきたい」と話した。

 

 同社は町が100%出資する初の法人。業務は集荷したタンカンを農協の選果場へ持ち込み選果した後、良品以上をふるさと納税の返礼品として箱詰めし発送。出荷できなかったタンカンは袋詰めし、市場へ出荷する。

 

 19日現在の登録農家は6戸。従業員2人と役場からの派遣職員3人で業務を担い、これまでに約4トンを集荷。ふるさと納税返礼品として10キロと5キロ箱の予約30件を受け付けた。

 

 タンカンの取り扱いは2月末をめどに終了。今後も事業の周知を図って登録農家を増やし、時季に応じてパッションフルーツやマンゴーなども取り扱う考えだ。

 

 従業員の一人で、今春同町で就農予定の広野裕介さん(32)=県立農業大学校2年=は事業による農家の負担軽減に加え、農家間の交流促進に期待。「小規模や高齢の農家個々ではできなかったことも地域一丸となって取り組めるいい流れだと思う。関われて楽しい。うまく若い人材を使ってもらい、いい環境をつくっていければ」と声を弾ませた。