ユニクロと泥染めがコラボ 龍郷町の金井工芸が協力 奄美の染色文化、世界へ

2020年05月13日

社会・経済 

ユニクロと金井工芸がコラボしたTシャツ(提供写真)

ユニクロと金井工芸がコラボしたTシャツ(提供写真)

  カジュアル衣料品ブランド「ユニクロ」に、奄美の泥染めをテーマにした商品が登場した。龍郷町戸口の染色工房「金井工芸」が協力。速乾・防臭などの機能を備えた化学繊維に、泥染めの深い茶褐色や味わいのある色のにじみを再現している。同工房の金井志人さん(40)は「奄美の文化を島外、国外の人に知ってもらいたい」と話した。

 

 コラボ商品は男性向けのTシャツとショートパンツ、パーカーの3種。スポーツウエアなどに用いられるポリエステル製の高機能素材と日本の伝統技術を組み合わせたシリーズで、金井工芸の泥染め風ダークブラウン、徳島県の工房BUAISOU(ブアイソウ)の藍染め風ブルーの2色展開。

 

 いずれも実際に染めた綿生地から抽出した柄をプリントしており、1着ずつ柄の出方が異なる。今後、女性向けのTシャツや下着など4種が発売されるという。

 

 同工房は本場奄美大島紬に欠かせない糸の染色作業を担うほか、全国のアパレル、木工作家らとのコラボ商品などを展開。シャリンバイの煮出し液と泥田を使用する伝統的な泥染め技法を今も手作業で続けている。

 

 金井さんは「(ユニクロとのコラボ商品は)プリントではあるが、泥染めを忠実に再現したもの。より多くの人に泥染めのかっこよさに触れてもらい、奄美の染色文化が世界に広がるきっかけになれば」と期待した。