名瀬「中央通り」5年連続横ばい 路線価

2021年07月02日

社会・経済 

    熊本国税局は1日、相続税や贈与税の算定基準となる2021年(1月1日現在)の路線価を発表した。大島税務署管内の最高価格は奄美市名瀬末広町「中央通り」の12万5000円で、5年連続で横ばい。県内では鹿児島市東千石町「天文館電車通り」(鹿児島税務署管内)に次ぐ高価格で、九州では昨年と同じく17番目の高さだった。

 

 県内11税務署の最高路線価をみると、前年度比で上昇した税務署はなく、横ばいが大島を含む5署で、残る6署は下落した。大島税務署管内では中央通りが1994年以降28年連続で首位。中心市街地の区画整理や港湾整備の進ちょくなどにより価格は下げ止まっている。

 県内で路線価が最も高かった鹿児島市「天文館電車通り」の価格は91万円で、前年度比1・1%マイナス。同地点は2012年以来の下落となった。下落幅が最も大きかったのは知覧税務署管内の南さつま市加世田本町「国道270号線」で、2・9%ダウンし3万3000円だった。

 

 鹿児島と大島以外の県内税務署別の最高路線価は▽川内税務署の薩摩川内市西向田町「大平橋通り」7万5000円▽加治木税務署の霧島市国分中央3丁目「新市街通り」6万5000円▽伊集院税務署の日置市伊集院町徳重3丁目「伊集院駅北口記念通り」5万2000円│の順で高かった。

 

 県内の地価動向について、国土交通省や不動産鑑定士などは「鹿児島市の中心市街地は天文館地区のアーケード入口のテナントビルの建て替え工事終了、千日町の再開発などによる期待感で地価が上昇傾向にあったが、新型コロナの影響で取引が停滞している。鹿児島市以外の商業地は、背後地人口の減少や郊外の大型商業施設への顧客流出、商圏の分散化などで地域は衰退し、地価は下落している」と分析している。