国立公園内に昆虫トラップ 奄美大島

2019年08月16日

社会・経済 

盗掘・盗採防止に向けたパトロールを実施した関係者=13日、瀬戸内町(環境省奄美群島国立公園管理事務所提供)

盗掘・盗採防止に向けたパトロールを実施した関係者=13日、瀬戸内町(環境省奄美群島国立公園管理事務所提供)

 奄美群島国立公園に指定されている奄美大島の山中で15日までに、昆虫を捕獲するための複数のトラップが見つかった。環境省によると、現場は自然公園法で許可なく工作物の設置が禁止されている第2種特別地域内。同省奄美群島国立公園管理事務所は「奄美大島で相次ぐ盗掘問題は世界自然遺産登録へ向けた大きな課題。関係機関と連携して監視強化を図りたい」と述べた。

 昆虫トラップは、同事務所と瀬戸内署などが13日夜、瀬戸内町の林道で希少種の盗掘・盗採防止に向けた合同パトロール中に発見。14日午後に両者が現場で調査したところ、枝にくくりつけられた果物入りのストッキングのようなトラップ13個を確認した。同署は自然公園法違反の疑いで調べている。

 同事務所によると、奄美大島ではトラップの設置や不審者の目撃情報が相次いでいるという。千葉康人世界自然遺産調整専門官は「違法採取の摘発には警察の協力が必要。迅速に対応していただきありがたい。合同パトロールによって抑止効果が高まる」と述べた。

発見された昆虫トラップ=13日、瀬戸内町(環境省奄美群島国立公園管理事務所提供)

発見された昆虫トラップ=13日、瀬戸内町(環境省奄美群島国立公園管理事務所提供)