展示即売や体験コーナーなど 奄美市で「紬フェスタ」

2018年09月02日

社会・経済 

展示即売コーナーで反物を合わせて着姿をイメージする来場者ら=1日、奄美市名瀬の産業支援センター

展示即売コーナーで反物を合わせて着姿をイメージする来場者ら=1日、奄美市名瀬の産業支援センター

  奄美の伝統産業である大島紬の普及促進を目的とした「紬フェスタ」(本場奄美大島紬産地再生協議会主催)が1日、奄美市名瀬の市産業支援センターで始まった。反物や小物の展示即売だけでなく、大島紬の試着や機織り、藍染めの体験コーナーなども設置。初日は奄美市内外から幅広い年代の老若男女が訪れ、郷土が誇る伝統工芸品の素晴らしさに触れた。同センターで2日まで開かれる。

 

 フェスタは、本場奄美大島紬協組の同センターへの移転に合わせて初開催。「幅広い世代に紬を身近に感じてもらおう」と、2017年度まで開かれていた紬製品の展示即売イベントを拡大した。

 

 来場者は屋内の展示即売スペースで反物を体に合わせて着姿のイメージを確認したり、紬の試着をしたり。屋外の駐車場に設けた藍染め体験コーナーでは、染め職人の手ほどきを受けながらオリジナルのハンカチづくりに挑戦する女性の姿も見られた。

 

 北九州市出身で、今年1月に奄美市名瀬に引っ越してきたという立野良子さん(53)は「母が和装好きで、着物には興味があったが、大島紬に実際に触れるのは初めて。軽くて肌ざわりが良く、素晴らしい織物だと実感した。一着は購入し、着用の機会を設けたい」と話した。

 

 協議会の構成自治体である奄美市と龍郷町は、16年度から反物などの購入費を助成している。市紬観光課によると、17年度実績は両市町で計103件。同課などは「助成制度や紬の日設定などで、あらためてじわじわと地域に紬が浸透しているようだ。今回のフェスタなども通じて、さらなる着用機会の拡大につなげられれば」とした。

 

 2日は午前10時から午後6時まで。電話0997(52)3411本場奄美大島紬協同組合。

人気を呼んだ機織り体験コーナー=1日、奄美市名瀬の産業支援センター

人気を呼んだ機織り体験コーナー=1日、奄美市名瀬の産業支援センター