島巡り定期クルーズを 奄美市で経済活性化フォーラム

2018年06月06日

社会・経済 

地域振興策などについて討論した地域経済活性化フォーラムのパネルディスカッション=5日、奄美市名瀬のAⅰAⅰひろば

地域振興策などについて討論した地域経済活性化フォーラムのパネルディスカッション=5日、奄美市名瀬のAⅰAⅰひろば

 鹿児島財務事務所と奄美市が共催する地域経済活性化フォーラム「シマノフォーラム~奄美、魅力、クリエイト~」が5日、奄美市名瀬のAⅰAⅰひろばであった。基調講演やパネルディスカッションがあり、世界自然遺産登録を目指す中、観光を軸とした地域振興策などについて考察した。奄美群島を巡る定期クルーズ船を就航させては、との提言もあった。

 

 基調講演は頼あゆみ氏(内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長)と古木圭介氏(県観光プロデューサー)の2人。頼氏は国が進めている地方創生の取り組みの現状などについて解説。古木氏は増加するインバウンド(訪日外国人観光客)の展望を紹介しつつ、タヒチなどで人気となっている島巡りの定期クルーズ船の就航を提言した。

 

 パネルディスカッションは世界自然遺産登録に向けた地域振興がテーマ。鹿児島財務事務所の川﨑達也所長がコーディネーターを務め、パネリストにアレックス・ブラッドショー氏(㈱島津興業社長室広報課マネジャー)、勝眞一郎氏(サイバー大学IT総合学部教授)、門田晶子氏(合同会社Go Kagoshima代表)、中村安久氏(町田酒造㈱社長)を迎えて討論した。

 

 パネリストらは、奄美の人や自然、文化をいずれも高く評価。その上で「観光が軸ではなく、地域コミュニティーを継続していくために観光をどう活用していくかという視点が大切」「旅行者が個人で自由に動けるだけのインフラ整備を」「鹿児島の奄美ではなく、島の名前を前面に出して世界で勝負してほしい」「地域ガイドがボランティアではなく職業として成り立つ仕組みが必要」などの意見や提案があった。

 

 フォーラムは6日も同会場であり、観光や経済団体の関係者が意見交換する。