廃品ダンボールをリサイクル  知名町の㈱栄興

2019年07月23日

社会・経済 

独自開発した機械(写真後ろ)で、廃品ダンボールをリサイクルして作った商品を手にする福社長=22日、知名町

独自開発した機械(写真後ろ)で、廃品ダンボールをリサイクルして作った商品を手にする福社長=22日、知名町

  【沖永良部総局】知名町知名の製造会社、栄興(福西興社長)はこのほど、廃品ダンボールをリサイクルし、畑の土壌改良などに使う有機酸液とセラミック灰を開発した。酸液は商標登録を済ませ、「ざわわ」の名称で今年から販売。希釈して散布することで、植物の生育促進や畑の土壌改良剤として効果があるという。

 

 同社はこれまで軟水器や肥料散布機などを開発・製造し、島内を中心に販売。今回の商品製造に活用している機械は約3年前に開発した。

 

 商品は、ダンボールを磁石の磁気と熱の力を用いて無酸素状態で熱分解し、乾燥・炭化したもの。ダンボールは機械投入後、約24時間で有機酸液とセラミック灰に変わる。

 

 有機酸液はその後、約1年間保管してタール分と油脂を取り除き、ろ過精製。昨年、福社長が所有するサトウキビ畑での実証試験を経て商品化した。セラミック灰も商品化に向けて準備を進めている。

 

 ダンボールは島内の事業所から無償で回収している。福社長(73)は「廃品ダンボールも処分には費用がかかるので、店側も助かると思う。自分のキビ畑で実際に商品を試したが、質の良いキビができた」と話した。

 

 有機酸液「ざわわ」は1袋(3㍑)当たり3千円(税込み)。問い合わせは℡0997(81)5188栄興。