徳之島にコーヒー焙煎所を 神奈川県の境さん

2020年04月17日

社会・経済 

クラウドファンディングストア「カフェコメルシオ」を開設した境さんと店舗で取り扱う商品(提供写真)

クラウドファンディングストア「カフェコメルシオ」を開設した境さんと店舗で取り扱う商品(提供写真)

 神奈川県神奈川県相模原市の自営業境亨さん(39)が今月から、インターネット上にクラウドファンディングストア「カフェコメルシオ」を開設した。徳之島で栽培しているコーヒーノキの種と苗、焙煎(ばいせん)した外国産のコーヒー豆をストア内で販売し、賛同金を集めて自動式焙煎機を徳之島コーヒー生産者会(吉玉誠一会長)に寄贈する計画だ。境さんは「島内外の人が徳之島産コーヒーを楽しめる場所づくりを支援したい」と意気込んでいる。

 

 自家焙煎したコーヒー豆の販売業を営む境さんは、徳之島で約40年間コーヒーづくりに励む吉玉会長に会うため2月に来島した。滞在中に島内のほとんどの喫茶店では自前の焙煎機を持たず、限られた店舗でしか徳之島コーヒーが提供されていない現状を知り、「島内のどの喫茶店でも徳之島コーヒーが飲めるようにしたい」という吉玉会長の思いを受け、焙煎機の寄贈を企画。吉玉会長から種を譲り受け、今月5日に同ストアを立ち上げた。

 

 ストア内では徳之島のコーヒーノキの種(5500円)と苗(現在育苗中で価格未定)、焙煎した外国産コーヒー豆(6500円)を販売している。必要経費を除く賛同金の目標金額は70万円。目標を達成した場合、焙煎機は伊仙町内にある生産者会の精製所に設置し、境さんの焙煎技術指導を受けた同会が「小さな焙煎所」として運営する。

 

 島内では2017年から、㈱AGFや同会など4社による徳之島コーヒー生産支援プロジェクトが始動しているが、吉玉会長は「プロジェクト以前から育てているコーヒー豆については、AGFとの間で独自に使用できると取り決めている」と説明。「従来から栽培しているコーヒー豆を一元的に焙煎し、各喫茶店で提供できれば」と構想を描く。

 

 境さんは「『小さな焙煎所』ができれば、島内の喫茶店利用やコーヒー消費増が見込まれる。栽培や収穫だけでなく焙煎、試飲にいたるまで、生産者や消費者がコーヒーを楽しむ場所をつくりたい」と語っていた。

 

 商品の購入はhttps://cafecomercio.stores.jp/(カフェコメルシオ)へ。