期限や優先順位を明確に 紬再生2期計画策定委始動

2021年08月11日

社会・経済 

第2期本場奄美大島紬産地再生計画の方向性などについて協議した策定委員会の第1回会合=10日、奄美市役所

 第2期本場奄美大島紬産地再生計画策定委員会(座長・勝眞一郎サイバー大学教授、委員12人)の第1回会合が10日、奄美市役所であった。後継者育成や販路拡大といった各種事業を5カ年計画で盛り込んだ2016年度策定の第1期計画を踏まえ、22年度スタートの第2期に向けた再生計画の考え方や方向性を協議。委員からは、事業の実務者や取り組み内容、期限を明確にすべきといった指摘や、優先順位を付けた課題整理などを求める声があった。

 

 同策定委員会は、奄美市と龍郷町、紬関係団体で組織する本場奄美大島紬産地再生協議会(会長・牧雅彦本場奄美大島紬協同組合理事長)への提言機関。委員は学識経験者や小売、生産、行政関係者らで構成し、同協議会が委嘱した。

 

 第1期計画(17~21年度)では、22年時点の目標に▽ブランドの認知率が着物ファンで100%▽産地全体の売り上げ・各織元の売り上げ・職人の報酬が、それぞれ対16年比2倍―を掲げ、13項目の取り組みを推進。会合で事務局(本場奄美大島紬協同組合)は生産反数の推移などを示し、現時点で目標達成には至っていないとの認識を示した。

 

 これらを踏まえ、委員からは「大島紬に関するストーリーなど情報をまとめ、発信する人材がいない」「第1期計画では取り組み項目が多過ぎた」といった意見があった。また、低迷が続く業界の現状から危機感とスピード感を持って対策を講じる必要があるとして、委員が会合の在り方に疑問を投げ掛ける場面もあった。

 

 第2期の計画期間は22~26年度の5カ年間。今年度中に予定する残り2回の会合で第1期計画の取り組みを検証・評価し、第2期の計画を取りまとめる。