町田酒造と山野井が業務提携

2019年05月15日

社会・経済 

業務提携を締結した町田酒造の中村安久社長(左)と山野井の山野井進治社長=14日、南さつま市

業務提携を締結した町田酒造の中村安久社長(左)と山野井の山野井進治社長=14日、南さつま市

 黒糖焼酎蔵元の町田酒造㈱(本社・龍郷町、中村安久代表取締役社長)と、県産豚の食肉加工製造を手掛ける㈱山野井(本社・南さつま市、山野井進治代表取締役社長)は14日、一部商品の製造や販売での業務提携を締結した。鹿児島県の食肉加工文化と奄美黒糖焼酎文化の融合と位置付け、町田酒造の主力商品「里の曙」を調味料に使用した山野井の商品開発や、両社の商品を詰め合わせたギフト販売などを展開する。

 

 業務提携は、山野井社長が昨年夏に町田酒造で黒糖焼酎について説明を受けたことがきっかけ。「国内でも奄美群島だけで製造が認められている黒糖焼酎の、自社製品への活用策を考えた。他の焼酎に比べて黒糖の使用量が多い『里の曙』のまろやかさや香りに着目した」(山野井社長)という。

 

 「里の曙」を調味料に使用した商品は、今年のお中元シーズンを皮切りに、全国の百貨店などでの販売を開始。業務提携により▽町田酒造による山野井の食肉加工品販売▽鹿児島市内での山野井直営店での、町田酒造主力商品のPRと販売▽関係法令を順守した上での、両社の営業拠点の相互活用や営業担当者の相互協力―などを進める。

 

 南さつま市の山野井本社で14日に協定調印式があり、山野井社長は「業務提携により商品の販路拡大を図りながら、鹿児島の良さを全国に発信していきたい」と述べ、中村社長は「豚肉は奄美・琉球の食文化にも欠かせない。業務提携により奄美黒糖焼酎のPRが期待される。食肉加工の場面での可能性が実証されたことも、業界全体でプラスになるのではないか」と話した。