職人の技と紬の魅力体感 170人が産地研修 京都きもの学院

2020年02月18日

社会・経済 

機織り体験で職人の技術を体感する参加者ら=17日、奄美市産業支援センター

機織り体験で職人の技術を体感する参加者ら=17日、奄美市産業支援センター

 関東を中心に展開する和服の着付け教室が16日から奄美大島で産地研修を行っている。20日までに約170人が参加し、泥染めや機織りなどの生産現場を見学して職人の苦労や製品の魅力を学ぶ。17日は約70人が奄美市名瀬の本場奄美大島紬協同組合(市産業支援センター内)を訪れ、買い物も楽しんだ。

 

 関係者によると、150人以上の大規模な研修を受け入れるのは「少なくともここ20年以来初めて」という。

 

真剣な表情で反物を見る参加者=17日、奄美市産業支援センター

真剣な表情で反物を見る参加者=17日、奄美市産業支援センター

 来島したのは㈱ハクビ(本社・東京都、柳生良隆代表取締役)が運営する「ハクビ京都きもの学院」。受講生らを対象に全国各地で毎年研修を実施しており、奄美での開催は約20年ぶり。ハクビの柴山雄樹副社長と紬協組の前田豊成理事長と旧知であることから実現した。

 

 研修は3班に分かれ、それぞれ2泊3日の日程で実施する。第1班は17日、龍郷町と奄美市名瀬で泥染めや締め機、機織りなどの製造工程を見学した。一行は職人たちの技に見入り、「すごい技術」「気の遠くなる作業ですね」などと声を掛けていた。

 

 市産業支援センターでは学院側の要望で、昨年3月に東京銀座で開催した大型の展示会を再現。会場に本場奄美大島の反物約800反が並んだ。参加者は一つ一つを熱心に見比べ、自分だけの1着を探していた。

 

 草木染めと泥染めの本場奄美大島紬を愛用しているという東京都の北川八重子さん(84)は「大島紬は柔らかく軽くて着心地が最高。難しい工程を間近に見て感動したし、貴重なものと知ってますます大切に長く着ようという気持ちが強くなった」と話した。