黒糖焼酎 カクテルで世界へ

2019年10月11日

社会・経済 

最先端技術を用いた斬新なカクテルを披露する南雲氏=9日、奄美市名瀬

最先端技術を用いた斬新なカクテルを披露する南雲氏=9日、奄美市名瀬

 奄美黒糖焼酎のカクテルセミナーが9日、奄美市名瀬の集宴会施設であった。東京で複数のバーを経営するスピリッツ&シェアリング㈱(東京都)の南雲主于三代表(38)が講師となり、カクテルを通した黒糖焼酎の世界展開を提案。「黒糖焼酎にしかない強みを押し出す必要がある。原料に黒糖と米こうじを使うことで味と香りにどのような特徴があるのか、蔵元の統一見解が必要だ」などとアドバイスした。

 

 セミナーはバーボンやウオッカなどの蒸留酒がカクテルによって世界的にシェアを広げたことを背景に、カクテルで黒糖焼酎の魅力を発信する取り組みの一環。特許庁の地域団体商標海外展開支援事業を活用して日本貿易振興機構(ジェトロ)が開催し、海外販路拡大を目指す5蔵元と自治体職員ら12人が参加した。

 

海外展開推進が目的の奄美黒糖焼酎カクテルセミナー=9日、奄美市名瀬

海外展開推進が目的の奄美黒糖焼酎カクテルセミナー=9日、奄美市名瀬

 南雲さんは黒糖焼酎を①サトウキビらしい風味②フルーティー系③原酒④樽(たる)熟成―の4種に分類。「多様性が魅力。洋酒の代わりではなく黒糖焼酎ならではの味を提案しなければいけない」と語り、それぞれの味の特徴を生かすフルーツやハーブとの組み合わせを紹介した。

 

 さまざまな素材と最先端技術を用いた「ミクソロジー」と呼ばれるカクテルの実演もあった。産地の同じ食材を使って酒の風味を引き出したり、完成した酒に焦がした樫樽(かしだる)の香りを付けるなどの工夫が披露され、参加者は驚きながらも奥深い味わいを楽しんでいた。

 

 今後は南雲さんに黒糖焼酎を使ったカクテルのレシピを考案してもらい、インターネットの動画サイトで海外向けに発信するという。動画の公開は年度内を予定している。