17年度138万円の赤字 奄美大島選果場

2018年06月29日

社会・経済 

選果場の利用実績などが報告された管理運営協議会総会=28日、奄美市名瀬

選果場の利用実績などが報告された管理運営協議会総会=28日、奄美市名瀬

 奄美市奄美大島選果場管理運営協議会(会長・山下仁司奄美市農政部長)の2018年度総会が28日、同市名瀬朝戸の市農村環境改善センターであり、17年度の施設利用状況が報告された。17年産タンカンの選果場利用数量は136・9トンで、利用料収入は243万4018円。収支決算は138万円の赤字となった。協議会は運営上の採算ラインを約250万円と見ており、出席者らは施設の黒字運営に向けJA共販以外の委託品も含めた取扱量確保への取り組みを確認した。

 

 会議には行政の担当者や果樹の生産者代表など約20人が出席した。

 

 選果場は奄美群島振興開発事業の非公共事業を活用して、奄美市が事業主体となって整備。高性能光センサー式の選果システムを採用しており、JAあまみ大島事業本部が指定管理者となって12年度から運用している。

 

 利用のメインとなるタンカンの取扱計画量は島内の生産者出荷予定量を根拠に積算し、460トン程度に設定しているが、協議会での報告によると過去の施設利用数量実績(委託品含む)は12年度143・2トン、13年度252・5トン、14年度119・0トン、16年度289・8トンと推移。利用料収入も低迷し、黒字を計上したのは16年度と14年度の2年間だけという。

 

 生産量の増減による価格変動で、年によっては生産者の出荷が市場に流れることも利用量の伸び悩みの原因になっているという。

 

 施設使用料の安定確保策として出席者は、JAの委託販売促進や本土でのPR強化などで価格の高値安定も図り、委託品も含め選果場への持ち込みを喚起する必要があるとの認識で一致。取扱量の増加や安定確保への取り組みを確認した。

 

 17年産のタンカン以外の施設利用料(委託品含む)はスモモ14万1347円、パッションフルーツ2万6142円、マンゴー2万7810円、津之輝1万9139円だった。