女子プロ野球、里投手所属愛知が勝利

2018年04月29日

スポーツ

延長九回まで投げ抜いた里綾実投手=28日、名瀬運動公園市民球場

延長九回まで投げ抜いた里綾実投手=28日、名瀬運動公園市民球場

 日本女子プロ野球リーグ2018ヴィクトリアシリーズの愛知ディオーネ―京都フローラ戦が28日、奄美市の名瀬運動公園市民球場であった。女子プロ野球の公式戦は奄美大島では初めて。小学生から一般まで市内外から約750人が詰め掛けて熱戦に沸き、地元の野球部に所属する女子も夢を膨らませた。試合は奄美市名瀬出身の里綾実投手を擁する愛知ディオーネが5―4で逆転勝ちした。

 

 奄美での公式戦開催は、「地元の子どもたちに夢を与えたい」という里投手の願いを聞いた女子プロ野球リーグ創設者の角谷建耀知わかさ生活社長らが後押しし、実現した。来場者は女子プロ選手の華麗なグラブさばきや鋭い送球と打球に見入り、延長九回まで投げ抜いた里投手や白熱した試合展開に拍手を送った。試合後は野球教室があり、両チームの選手らが小学生に指導した。

 

 始球式を担当した金久中野球部の恵愛花さん(13)は「里投手が「見てる前で投げるのは緊張した。試合もスピード感があって、バッティングの仕方が勉強になった。私もいつかプロになって世界で活躍したい」と話していた。

 

 里投手は試合後、「勝つことができてほっとしている。奄美で試合をするのが夢だったのでうれしい。この気持を励みに世界大会に向けて頑張りたい」と話していた。

 

試合後、両チームの選手らからタッチを交わした小学生ら=28日、名瀬運動公園市民球場

試合後、両チームの選手らからタッチを交わした小学生ら=28日、名瀬運動公園市民球場

 里投手は奄美市名瀬の金久中から神村学園、尚美学園大を経て13年に日本女子プロ野球リーグの選手になった。2年に一度の女子野球ワールドカップでも12年にベストナイン賞、14、16年に最優秀選手賞を受賞するなど日本を代表する選手として活躍している。来年夏、米国であるワールドカップに5大会連続で日本代表に選ばれた。