両生類のロードキル多発 浅利さん(帯広畜産大)「保全対策講じて」 鹿大島嶼研勉強会

浅利さんが両生類のロードキルについて紹介したオンライン勉強会=29日

 鹿児島大学国際島嶼(とうしょ)教育研究センター奄美分室主催の勉強会が29日夜、オンラインで開かれた。講師は帯広畜産大学准教授の浅利裕伸さん。世界自然遺産に登録された奄美大島で、絶滅の恐れがあるイモリやカエルなど多くの両生類が車にひかれていると指摘し、「ロードキル(交通事故死)の現状を把握して、保全対策を講じる必要がある」と述べた。

 

 浅利さんは奄美大島に生息する多くの両生類が環境省のレッドリストで絶滅危惧種に区分されており、「希少性が高い」と強調。イモリやカエルなどは小型で目立たないため、車にひかれていても気付かれにくいと説明した。

 

 奄美市笠利町、龍郷町、大和村の3カ所で2020年10月から約1年間、それぞれ約10㌔の区間で車にひかれた個体の種類や数などを調査したところ、イモリ2種128匹、カエル8種50匹のロードキルを確認した。

 

 種類別では、準絶滅危惧種のシリケンイモリが127匹と最も多く、リュウキュウカジカガエル17匹、奄美大島と徳之島の固有種で絶滅危惧Ⅱ類のアマミハナサキガエルが14匹と続く。奄美大島固有種で絶滅危惧ⅠB類のアマミイシカワガエル、オットンガエルも各1匹確認された。

 

 森林に近い龍郷町や大和村と比べて、笠利町はロードキルが確認された種数が多く、奄美空港付近や住宅地に近い道路で多発する傾向がみられた。

 

 浅利さんはロードキルの発生する時期が種類によって違うことや、地域によって種類が異なると説明し、「生息種に対応した保全対策が必要」と指摘。「アマミノクロウサギなど大きな動物だけでなく、目立たない生き物の情報も蓄積しないといけない」と話した。