生前の姿に思いはせる 島尾ミホさん追悼ミサ 奄美市名瀬

2023年03月26日

地域

島尾ミホさんの追悼ミサ。祭壇には生前の写真やツツジの花、押角小学校の校章が飾られた=25日、奄美市名瀬古田町のマリア教会

瀬戸内町加計呂麻島出身の作家・島尾ミホさんの追悼ミサが25日、奄美市名瀬古田町のマリア教会であった。ミホさんは奄美にゆかりの深い作家・島尾敏雄さんの妻。命日に当たるこの日に合わせ、長男で写真家の伸三さんら親族が来島。NPO法人島尾敏雄顕彰会(潤井文子理事長)の関係者も含め約20人が出席し、静かに祈りをささげ、ミホさんの生前の姿に思いをはせた。

 

追悼ミサは、ミホさんの命日に合わせて、顕彰会が毎年行っている。祭壇にはミホさんが小学生時代を過ごし、代用教員も務めた瀬戸内町立押角小学校(2015年廃校)の校章や、伸三さんの妻で写真家の潮田登久子さんが持参した真っ白なツツジの花が飾られた。

 

ミサではミホさんが好きだった「グレゴリオ聖歌」が流れ、優しくほほ笑むミホさんの写真の前で生前の思い出話も交わされた。

 

ミホさんの孫で、イラストレーターや作家として活動するしまおまほさん(44)は「祖母の存在感はとても大きく感じる。毎年加計呂麻島に来ることを楽しみにしている」と話した。顕彰会の潤井理事長は「ミホさんが道端に咲く花を少女のようにめでていたことを覚えている。これからもミサが続いていくことを願う」と語った。

 

ミサの後、親族らは加計呂麻島呑之浦にある島尾家の墓参りに向かった。