関係人口増と地域活性化へ 奄振交付金でワーキングホリデー 全国から6人、島暮らし満喫 大和村
2025年02月22日
社会・経済

関係人口増と地域活性化へ 奄振基金でワーキングホリデー 全国から6人、島暮らし満喫 大和村
地域外の人が農業や島暮らしを体験することで関係人口創出による地域活性化を目指す「大和村ふるさとワーキングホリデー」が9日から、同村で行われている。村主催として実施するのは初めてで、全国から6人が参加。21日までの13日間、タンカン収穫やシイタケ栽培などの農業体験や、島唄、八月踊り、自然観察ナイトツアーなど島の文化、自然に触れ、濃密な島暮らしを満喫した。
大和村でのふるさとワーキングホリデーは2022、23年度の2年間、日本航空(JAL)が農林水産省の農山漁村振興交付金の採択を受けて実施。24年度からは大和村が奄美振興交付金を活用し、事業展開している。
今回は22~38歳の大学生と社会人の男女計6人が参加。期間中は午前中にタンカンの収穫や選果、加工品づくりなどの農業体験、午後は染色体験や地元住民との交流会、地元ラジオ番組への出演などの島での生活を楽しんだ。
最終日の21日は名音森林総合開発を訪れ、神棚や祭壇に供える「サカキ」の栽培で使用する遮光ネットづくりに協力。午後は国直公民館で送別会に参加し、研修を振り返った。
JAへの就職が内定している早稲田大学4年の吉本翔陽さん(22)=広島県尾道市=は「農業体験を目的に参加した。本土とは異なり、平地でかんきつを栽培しているので、安全に作業ができるのが勉強になった。タンカンは初めて食べたが、味もおいしかった」と話した。
日本全国を訪れ、関係人口や移住に取り組む活動を自身のSNS(インターネット交流サイト)で発信している、自営業の田中恵理さん(38)=埼玉県川越市=は「大和村は温かい人が多くすてきな村。埼玉では体験できないことばかり。私が今回体験したことを発信することで、大和村に興味を持つ人が増えたら」と述べた。
ワーキングホリデーの企画・運営を担当したNPO法人TAMASUの中村修代表(56)は「農業や島の文化を体験し、地域と交流することで大和村や奄美大島のことを深く知ってもらい、旅行での再訪や情報発信などで大和村、奄美大島を応援してもらえたら」と期待を寄せた。
大和村ふるさとワーキングホリデーは全国から47件の応募があった。村企画観光課は「全国から注目があり、来年度以降も関係機関の協力を得て実施したい」としている。