対話の大切さ学び実践 ジェンダー平等目指しワークショップ 男女共同参画あまみ会議

2025年03月16日

地域

対話の大切さと多様性がもたらす可能性について語る講師の高﨑恵さん=13日、奄美市役所

男女共同参画あまみ会議(重信千代乃会長)は13日、ジェンダーギャップ(社会的、文化的な性差による男女格差)をテーマにしたワークショップを奄美市役所で開いた。約30人が参加。アドバイザーの高﨑恵さん(50)=オフィスピュア所属=の講話に耳を傾け、すべての人が違いを認め合い対話する大切さを学ぶとともに、グループトークで実践。「一人ひとりを大切にできる奄美」を目指して語り合った。

 

高﨑さんは鹿児島県出身で、祖父母が奄美市出身。現在は鹿児島県と神奈川県との2拠点生活をしながらアドバイザーとしてジェンダー問題の解決に取り組んでいる。

 

講話では、人種、性別、宗教などが異なる人々が共存する「ダイバーシティー(多様性)」について言及。「違いは〝間違い〟ではない。お互いの違いを理解し尊重し合うことが大切」と説明し、「意見が合わない場合でも頭から否定せず、相手の意見を一度受け止めて賛成できない理由や背景を丁寧に説明することが大切」と対話の重要性を強調した。

 

さらに「職場などで、既婚か未婚か、子どもがいるかいないかなどの違いで人を区別していないか」と問い掛け、「違う経験や背景がある人を受け入れることでさまざまなアイデアが生まれる可能性がある。人口減少が避けられない今後は、障がい者やシングルマザーが働きやすいよう、仕事の仕組みを変えていく必要がある」と主張した。

 

受講した中島智香代さん(67)=奄美市名瀬=は「グループトークでは男女格差について話し合い、技術職では比較的に格差が少ないなど、業種によって違いがあることが分かった。年代や職場が違う人たちと意見交換できたおかげ」と感想を述べた。

 

同会議は1993年に発足。重信会長は「30年前からすると周囲の理解がずいぶん変わってきているのを肌で感じる」と手応えを示し、「きょうも男性や若年層の参加が少ないなど課題はある。今後もさまざまな取り組みを通じて、誰もが住みやすい奄美を実現していきたい」と語った。