きび酢事業を譲渡 公社化で伝統の味継承 JAあまみと瀬戸内町
2025年04月01日
社会・経済

事業譲渡の契約書を取り交わす鎌田愛人瀬戸内町長とJAあまみの窪田博州代表理事組合長=31日、瀬戸内町役場
JAあまみ瀬戸内支所は31日、運営するきび酢工場(瀬戸内町瀬相)を瀬戸内町が出資する合同会社「奄美せとうち地域公社」へ譲渡した。同日、同町役場で事業譲渡契約の締結式があり、JAあまみの窪田博州代表理事組合長と鎌田愛人町長が契約書を取り交わした。公社化により、生産安定と製造技術や伝統の味の継承を図る。
きび酢工場は、同支所の前身の瀬戸内町農業協同組合が1981(昭和56)年に建設し操業を開始。現在、サトウキビを原料とするきび酢を年間約20トン生産している。同工場で生産するきび酢はカルシウムなどのミネラルが豊富で健康志向が高い消費者に人気が高い。

瀬戸内町瀬相にあるきび酢工場(提供写真)
同公社は100%瀬戸内町が出資。工場には常駐スタッフ4人を配置する。関係者によると、公社化でふるさと納税の寄付金や奄美群島振興交付金の活用がスムーズになるなどのメリットがあるという。
締結式で窪田博州組合長は「同公社からの呼び掛けで譲渡に至った。人気が高く、体にも良い商品なので生産の安定化で今後も伝統の味を後世に伝えてほしい」と期待。鎌田町長は「きび酢の生産を通して瀬戸内町、加計呂麻島の魅力の発信も図りたい」と述べた。
同公社による運営は4月1日からスタート。伊地知満宏工場長は「製造量は現状を維持した上で、商品の知名度向上などに注力する。きび酢は瀬戸内町、加計呂麻島の宝。その魅力を全国に広めたい」と意欲を語った。