健やかな成長願い 「サンガツサンチ」節句祝う 奄美群島各地で海開き

2025年04月01日

地域


初節句を迎え家族に抱えられて足を海水に浸す赤ちゃん=3月31日、奄美市名瀬

旧暦3月3日の「サンガツサンチ」に当たる31日は奄美群島各地で海開きがあった。海水浴シーズンに向けて海の安全を祈願し、新生児の初節句を祝う行事も行われた。海岸には多くの家族連れが訪れ、赤ちゃんの足を海水に浸して無病息災を願った。

 

サンガツサンチは女児の節句。奄美では昔からヨモギ餅を作って先祖に供えたり、赤ちゃんを海岸に連れ出したりして健やかな成長を願う風習がある。

 

奄美市名瀬の大浜海浜公園(管理者・谷木材商行)は同日、恒例の海開き行事を開催。安全祈願祭には官民の関係者ら8人が出席し、高千穂神社(同市名瀬)の當郷裕之宮司が海の安全を祈り祝詞を奏上した。

 

この日はあいにくの雨天にもかかわらず、初節句の行事に男女問わず赤ちゃん連れ約30組が参加した。海水に足を浸すと、驚いて泣き出す子や、きょとんとしている子、大勢の人に囲まれ不思議そうに辺りを見回す子など反応はさまざま。かわいらしい姿を家族らが笑顔で見守った。

 

同市名瀬の有村慎太郎さん(39)と妻の香織さん(同)は、三女の楓花ちゃん(5カ月)の初節句を家族5人で祝った。「元気で健やかに芯の強い子に育ってほしい」と目を細めた。